山口 美華 先生
最終学歴:大阪大学歯学部卒業
卒業年度:1998年
開院してから今日までを振り返ると、伝えることの難しさに悩んだ1年でした。
歯を守り、お口の環境を良くすることに最善を尽くしたい、その信念を貫くため当院は「自由診療専門」の歯科医院です。
ご予約をいただいた時にはその旨をお伝えするのですが、話すら聞かずに断られる人が多いのは残念なことです。健康保険が使えない医院というのは確かに珍しいとは思いますが、その理由に興味はないのでしょうか。
1本の虫歯治療であっても、削る量、詰める方法は様々です。そして一度治した歯の再治療は、歯への負担が大きく結果的に歯を失う原因になることも多いのが現状です。
一度削った歯は元に戻せません。歯を治す時には、治す前にどのような治療法があるのか、それぞれの方法のメリット、デメリットを確認した上で慎重に決めるべきです。かみ合わせの状態によっては、歯1本1本だけでなく、全体のバランスを考えた治療をしないと長持ちしないこともあります。
自身にとってベストな治療は何なのかを、健康保険適用の有無だけでなく聞いてみることをお勧めしたいです。
また歯の治療は年齢によって優先するべきことは変わってきます。例えば小児や若い人は、正しい習慣の獲得とお口の環境作りが最優先です。
昔に比べて虫歯は激減しましたが、不正咬合が増えてきています。これは現代の子ども達が口の機能を正しく使えていないことが主な原因です。機能を正しく使えていない状態を長く続けていると、顔の骨格まで変わってしまいます。
若年者の矯正では、正しい機能を獲得しながら顎の発達を正しい軌道にのせていきます。その結果、骨格のバランスのとれた良い歯並び、良いかみ合わせを獲得することができ、将来的に歯を失わず、かみ合わせ不良による全身トラブルも回避できる可能性が高まります。
このように小児の矯正治療は、長い目でみると投資価値のある治療ですが、すべてが乳歯の時期や永久歯の本数がまだ少ない時期は、一般の人には問題なさそうに見えることも多く、将来的な予測をもとに矯正治療をお勧めしても理解しづらいようです。これもまた伝えるのが難しい部分であると感じていますが、これからも地道に正しい情報を発信していきたいと考えています。
最後になりましたが、数ある歯科医院の中から当院を選び、信じて治療を開始された方々を裏切らないよう誠意をもって全力で治すことを誓います。