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相談内容からみたトラブルの実際

インプラント治療は、歯を失うことで低下した噛む機能を回復させるだけでなく、見た目も天然歯と変わらない自然な美しさが期待できるため、急速に普及してきました。しかし、２０１１年12月国民生活センターが発表した、インプラント治療に関するトラブルの実態や、マスコミを通じた報道でも明らかなように、いくつかの問題が起きていることも事実です。

インプラント治療におけるトラブルとは

インプラント治療を受けることで、噛める喜びを取り戻し、多くの方が治療結果に満足している一方、不適切な治療で、さまざまなトラブルが発生していることがマスコミなどで報道されました。その内容は埋め入れたインプラントで下あごの神経を損傷し、痺れを引き起こしていたケースや、インプラントが抜け落ちてしまうケース、いつまでも痛みや腫れがとれないなど、専門性の高い医療機関で緊急に対処を要するものでした。インプラントは天然歯とは歯周組織の構造が異なり、全く同じ機能を持つことはできませんので、多少のトラブルも起こりえます。このような報道に接すると、インプラントの安全性そのものを問う声が高まりますが、実際に起きているトラブルは、どのようなものなのでしょうか。

相談内容から学ぶ、トラブルの実際

株式会社ガイドデントが運営する、インプラント治療に関する総合相談サイト「グローバルインプラントサポー（※）」では、インプラント治療に関する疑問や相談にお応えしています。ここでは特に、治療を始める前よりも、治療を始めた後（治療中・治療後）の患者さんから、相談が多く寄せられる傾向にありますが、その相談内容を分析すると、 『口腔外科や専門性の高い医療機関での対処が必要な緊急性の高いもの』と同時に、『日常生活の中で感じる不具合で、簡単な処置や調整で解決できるもの』、『歯科医師やスタッフとのコミュニケーション』と大きく三つに分けることができます。

これらの相談からみると、マスコミの報道にあったような、神経を傷付けてしまうようなケースは、決して頻発しているわけではないようです。とはいえ小さなトラブルや不具合でも、患者さんにとってはストレスとなります。相談先がなく悩みを抱えこんでしまったり、早期に失敗だったと諦めてしまうのはとても残念なことです。では万一トラブルが発生してしまったら、どうしたらよいのでしょう。次に、具体的な事例をとおして、その対処方法を見ていきましょう。